「昔だったら、すぐ治ったんだけど・・」
患者さんとお話ししていると、こんな言葉を聞くことがあります。
そして続けて、「やっぱり年だから仕方ないですよね」
と言われる方も多いです。
たしかに、年齢とともに身体は変化します。
ただ、それ以上に気にしてほしいのが、体力が落ちていないかということ。
では体力とは何か?
体力を突き詰めて考えると、それは呼吸力と脚力です。
以前より歩かなくなった。
階段を使わない。
なんとなく外出する機会が減った。
身体を動かさなくなると、呼吸も浅くなります。
東洋医学では、身体の中を「気・血・水」が巡っていると考えます。
歩く力や呼吸する力が落ちてくると、この巡りも弱くなり、回復する力である自然治癒力も発揮しにくくなるのです。
僕はこれが、「以前ならすぐ治ったのに、最近はなかなか治らない」原因の一つだと考えています。
痛みがあっても歩ける状態なら、無理のない範囲で少しずつ歩いてみてください。
いきなり30分、1時間歩く必要はありません。
最初は5分でも10分でもいいんです。
大切なのは、
「気・血・水を循環させること」
そして「動ける、または動いていいということを脳が認知して安心できる」
ということです。
これが大事なリハビリです。
体力のもう一つが腹式呼吸です。
鼻からゆっくり息を吸いながら、お腹をしっかり膨らませる。
そして今度は、ゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませていく。
最初はなかなかお腹はへこまないはずです。
それは腹横筋をはじめ、呼吸する筋肉や機能で低下しているからです。
自分のできる範囲で、しっかり吸って、しっかり吐く。
思い出すたびにこれを繰り返してみてください。
普段は無意識にしている呼吸ですが、意識してしっかり行うことで、呼吸する力を取り戻すためのリハビリになります。
痛いところにとらわれず、身体全体を元気にしていく。
痛みがあると、どうしてもその場所ばかりが気になります。
腰が痛ければ腰。
膝が痛ければ膝。
肩が痛ければ肩。
もちろん痛いところを治療することも大切ですが、それと同時に僕が大切にしているのが、その人の身体をもう一度元気にしていくことです。
歩く。
呼吸する。
認知する。
少しずつ体力を戻ってくる。
改善する力が出てくる。
とても地味なことですが、身体は少しずつ変わってきます。
「年だから治らない」
そう決めつける前に、今できることから始めてみてください。
僕も治療を通して、その力を引き出すお手伝いをしていきたいと思っています。
