膝に効く最強の薬とは?
「今度こそダイエットします」
膝の痛みで来院された患者さんが、そう口にされました。
実はこの言葉、とても的を射ています。
膝にかかる負担は、体重の約3倍 と言われています。
立ち上がる瞬間、階段の昇り降り、ジャンプやジョギングの着地。
そのたびに、膝は体重の3倍近い衝撃を受けています。
つまり、体重が1kg増えるだけで、膝には約3kg分の負担が増えるということ。
ということは、膝の痛みを改善するための、
シンプルで確実な「薬」は、体重を減らすこと です。
痩せる原理は、たったひとつ
ダイエットの公式は、とても単純です。
摂取カロリー < 消費カロリー
消費するエネルギー以上に食べなければ、体重は自然に減っていきます。
難しい理論はありません。
だけど、難しいのがダイエット。
ここで大切なのは「なぜ食べすぎてしまうのか」
を知ることです。
食欲には「本物」と「ニセモノ」がある
食欲には大きく分けて、2種類あります。
① 生理的な食欲(本物)
・身体に必要な栄養を補うための食欲
・空腹として自然に感じるもの
② 見かけの食欲(ニセモノ)
・ストレスや疲労によって起こる食欲
・「なんとなく食べたい」「口が寂しい」
脳が疲れると「早く楽になりたい」という指令を出します。
その一番手っ取り早い方法が、食べること。
胃が動き、副交感神経が優位になることで、
一時的にラクになるからです。
でもこれは、
身体が本当に必要としている食欲ではありません。
年齢とともに太りやすくなる理由
年齢とともに体重が増えやすくなるのは、
・運動量が減る
・基礎代謝が落ちる
この2つが大きな理由です。
特に重要なのが、下半身の筋肉量。
太ももやお尻の筋肉は、基礎代謝の大部分を担っています。
ここが弱くなると、同じ食事量でも太りやすくなり、
膝への負担も増えていきます。
「鍛える」より「引き算」
健康の基本は、足し算ではなく引き算です。
身体に良いとされる食事やサプリメントを取り入れても、
体内に余分なものが溜まっていては、
それはただの「飽食」になってしまいます。
体内の余分なものが減ると、
・内臓の仕事量が減る
・代謝が上がる
・疲れにくくなる
・身体が軽くなる
結果として、
自然に体重は落ち、膝もラクになる のです。
無理な運動はいりません
「痩せる=筋トレ」と考える方も多いですが、
過度な筋トレは、
かえって「食欲」を強めてしまうこともあります。
大切なのは、
運動ではなく動く生活”に戻すこと。
・自転車に頼らず歩く
・大股で早歩きする
・階段を使う
・エスカレーターを避ける
・お腹やお尻に軽く力を入れて生活する
これだけでも、身体は十分に変わり始めます。
鍼灸でできること
鍼灸は、
・内臓機能を整える
・基礎代謝を高める
・ストレスからくる食欲を抑える
といった点で、
「痩せやすい身体づくり」 をサポートできます。
東洋医学では、
肥満を「肥貴人(ひきじん)」「肌膚盛(きふせい)」と表現します。
これは単なる体型の問題ではなく、
身体のバランスの乱れ と考えられてきました。
膝を守るために、まず体重から
膝の痛みは、
我慢して付き合うものではありません。
体重が少し減るだけで、
膝への負担は驚くほど軽くなります。
「まずは、余分なものを手放す」
それが、膝を守り、身体を長く使うための
いちばん現実的で、やさしい方法です。
