自律神経失調症・自律神経の乱れ
クライアント
女性 12歳 女性 中学生
思春期という時期について
思春期の始まりや終わりには明確な線引きはなく、個人差が大きいとされています。
一般的には、12歳頃から20歳前後までがこの時期にあたります。
第二次成長期に入ると、
男子ではテストステロン(男性ホルモン)、
女子ではエストロゲン(女性ホルモン)の分泌が活発になり、
身体にさまざまな変化が起こります。
この時期は、骨格の成長と内臓・神経系の成長のスピードにズレが生じやすく、
その影響で体調面・精神面ともに不安定になりやすい特徴があります。
また心理面では、自我がはっきりしてくる時期でもあり、
些細な出来事に強く反応したり、周囲の視線や言葉に敏感になることも少なくありません。
大人には想像しにくいストレスを、知らず知らずのうちに抱え込んでいることもあります。
来院
2014年 2月
朝の頭痛がつらく、学校を休む日が増えてきたため、病院を受診。
検査では脳などに異以前から時々あった頭痛が、1か月ほど前から強くなりました。
とくに朝起きたとき常は見られず、
「起立性調節障害の可能性がある」と説明を受けました。
痛み止めの薬を処方されましたが症状に変化がなく、
「ほかの方法も試してみたい」とのことで、鍼灸を選択され来院されました。
症状
以前から時々あった頭痛の症状が1か月前より強くなる。
朝起きる時頭痛が強く、学校を休むことが増えてきたため病院を受診し検査した。
脳などの異常はなく「起立性調節障害」の可能性を指摘される。
痛み止めの薬を処方されるが変化がないため、鍼灸を試そうと思い来院してくれた。
施術と経過
施術と経過
※鍼灸施術の効果には個人差があります
初回の触診では、首や肩の筋肉の緊張が非常に強い状態でした。
若い方の場合、筋肉がかなり硬くなっていても
「こり」や「痛み」として自覚しにくいことがよくあります。
まず筋膜リリースで全体の緊張をやわらげた後、
鍼を刺さずに皮膚に当てる「接触鍼」を用いて施術を行いました。
使用した主なツボは、
風池・天柱・風門・腎兪・承山 など。
その後、仰向けで頚部の調整を行い、
百会・角孫・合谷・血海・三陰交などへ接触鍼を行いました。
施術後は、
「頭が少し軽くなった感じがする」との変化が見られました。
2回目の施術
2回目からは、ご本人の様子を確認しながら
数ミリだけ鍼を刺入する施術に変更しました。
風池・天柱・肩井・腎兪などに置鍼(5分)。
仰向けで百会・角孫・三陰交・合谷への施術を行いました。
3回目の施術
3回目の来院時には、
頭痛はかなり軽減しており、学校にも問題なく通えているとのことでした。
同様の施術を行い、
症状の安定が確認できたため、合計3回で施術を終了としました。
生活指導
朝は食欲がなく、何も口にしていないとのことだったため、
起床後すぐに
マグネシウムを多く含むミネラルウォーターをコップ1杯飲む
という、無理のない習慣を提案しました。
まとめ
お子さまの体調不良について
「本当によくなるのか」と不安を感じて相談を受けることは少なくありません。
正直なところ、すべてのケースが同じ経過をたどるわけではありませんが、
回復していくお子さまの方が多くいらっしゃいます。
子どもの身体は、
筋肉の緊張が強くても大人のように痛みとして表に出にくい分、
頭痛やめまい、朝起きられないといった形で不調が現れることがあります。
難しく考えすぎず、
全身の緊張をやさしく整えてあげるだけでも、
子どもの場合は比較的早く変化が出ることがある
というのが、これまでの臨床経験から感じていることです。
親御さまへ
お子さまの体調不良は、
「様子を見ていていいのか」
「このまま学校に行けなくなったらどうしよう」
と、親御さんのほうが強い不安を抱えてしまうことも少なくありません。
思春期は、身体も心も大きく変化する時期です。
検査では異常がなくても、
自律神経や成長のバランスの乱れによって、
頭痛・めまい・倦怠感などが現れることは決して珍しいことではありません。
当院では、
お子さまに負担をかけない施術を最優先に考え、
必要以上に刺激を加えることはいたしません。
鍼が初めてのお子さまには、刺さない鍼やごく浅い刺激から行い、
状態を見ながら丁寧に進めていきます。
「本当に鍼灸でよくなるのだろうか」と迷われるのは当然です。
無理に通院を勧めることはありませんので、
まずは一度、現在のお悩みや不安をお聞かせください。
お子さまが少しずつ元気を取り戻していく過程を、
親御さんと一緒に見守っていける鍼灸院でありたいと考えています。
クライアント
男性 40代
来院
2023年 3月
症状
ご相談内容
約1年前から、
・胃の不快感
・慢性的な肩こり
・眠りが浅く、夜中に目が覚める不眠
といった症状が続き、病院を受診されていました。
検査では器質的な異常は見つからず、
睡眠薬と胃腸薬を服用しながら様子を見ていましたが、
「薬以外に何かできることはないか」と考え、
初めて鍼灸院を受診されました。
胃の症状は強い痛みではなく、
・張る感じ
・もたれる感じ
・食欲がわかない
といった状態が常に続いていました。
デスクワーク中心のお仕事で姿勢が崩れやすく、
ご本人も「ストレスは多い」と自覚されていました。
初回の身体の状態
腹部を触診すると、上腹部の緊張が非常に強く、
押すと強い不快感が出る状態でした。
自律神経の乱れが強い方は、
お腹の筋肉が過剰に緊張していることが多く、
触れられることで吐き気や不快感が出るケースもあります。
また、
・肩は押すと強い痛み
・お腹と足の冷え
・血圧はやや高め
・首〜背中(頚椎〜胸椎)の動きが悪く、猫背気味
・顔色も血色があまり良くない
といった所見がみられました。
前かがみ姿勢でのデスクワークが続くことで、
胃腸が持続的に圧迫され、うっ血しやすくなります。
その結果、内臓の不調が反射として肩こりを引き起こすこともあります。
施術と経過
腹診をすると上腹部がとても固く、押すと不快感が強い。自律神経の乱れが強い人は、お腹の筋肉の緊張がとても強い。さらにお腹に触られると吐き気などの不快感が生じやすい。
肩も押すと痛みがある。おなかと足の冷えあり。血圧は高め。頚椎から胸椎の動きが悪く円背。顔色含め血色がよくない。
身体を前かがみにしてデスクワークなどをすると、その姿勢により胃腸が持続的に圧迫される。
そのため胃腸のうっ血が起こり、その内臓反射として肩こりを起こすことがある。
鍼灸施術
風池・肩井・膏肓・心兪・肝兪・胃兪・腎兪・承山などに鍼施術。踵にある失眠にはお灸をした。
仰向け時になり鳩尾・中脘に施灸。百会・内関・足三里などに鍼をした。
経過
身体の変化に合わせてツボを変えながら同様の施術を1週間おきに行った。
2回目の施術後から胃の不快感と肩こりの症状が減少した。背部の右肝兪と左胃兪への施術の際、筋膜の過緊張が消失したと同時に、お腹の緊張も減少していた。
現在4回目の施術終了時点で胃と肩こりの症状は消失するも不眠症状は残存。それでも眠りは深くはなっているという。
(鍼灸施術の効果には個人差があります)
まとめ
自律神経は、
内臓・血管・皮膚など、身体のさまざまな機能をコントロールしています。
そのため、自律神経のバランスが崩れると、
・疲れやすい
・やる気が出ない
・冷え
・肩こり・頭痛
・腰痛
・不眠
・めまい
・胃腸の不調
など、実に多くの症状が現れます。
自律神経の乱れが強い方は、
身体のどこかに必ず「過緊張している部位」が存在します。
今回の症例では、
背中のツボ周囲の緊張を丁寧に緩めることが、
症状改善の大きなポイントとなりました。
まだ経過をみていく必要はありますが、
「もっと早く鍼灸を受ければよかった」
という言葉をいただけたとき、
鍼灸師としてこの仕事を続けてきて良かったと感じます。