不妊
クライアント
女性 20代 主婦
来院
2020年 5月
症状
3年間妊娠せず強い冷えと生理不順に悩んでいた20代女性が、3ヶ月で妊娠されたケース
3年間妊娠できず悩まれており、1年3ヶ月前から不妊専門クリニックに通院されていました。クリニックでは人工授精へのステップアップを勧められていましたが、知人から「鍼灸が妊活に良いと聞いた」ことをきっかけに来院されました。鍼灸は初めてとのことでした。
特に気になっていたのは、腰〜足の冷え。
下半身が冷えやすく、触ると硬さや痛みを感じる部分も多い状態でした。
また、生理周期が安定しにくく、基礎体温では高温期が短めであることを心配されていました。
当院での見立て
妊活では「子宮や卵巣だけ」ではなく、全身の血流・自律神経・内臓の働きが土台になります。
この方は特に、下半身の冷えや緊張が強く、骨盤まわりの硬さも目立っていたため、骨盤内の血流が滞りやすい状態と考えました。
そこで当院では、鍼灸に加えて骨盤や筋膜の調整も併用し、冷えと循環を改善しながら身体の土台を整える方針で施術を行いました。
施術と経過
施術内容
(施術効果には個人差があります)
初回は、骨盤のバランスと筋肉の緊張を確認し、
• 腰部の筋膜リリース
• ソフトな骨盤調整
• 背中(首〜腰)への鍼灸
• 仰向けで腹部・下肢への鍼灸
を行いました。施術後は「全身がポカポカする」という感想がありました。
2回目以降は、状態に応じてカッピング(吸玉)も併用し、血流の改善をさらに促しました。
通院ペースは週1回を基本に進めました。
経過
• 1ヶ月後:腰〜足の冷えが軽減してきた
• 2ヶ月頃:「高温期が安定してきた気がする」と体調面の変化を実感
• 約3ヶ月後:お電話にて妊娠のご報告をいただきました
(鍼灸施術の効果には個人差があります)
まとめ
この症例から分かること
妊娠しやすい身体づくりでは、冷えを含めた「巡り」の改善が重要です。
冷えが軽減し、血流や自律神経のバランスが整ってくることで、身体が本来持っている働きが発揮されやすくなります。
当院では、妊活を「子宮・卵巣だけの問題」として捉えず、全身の状態を整えることを大切にしています。
病院の治療と並行してできることを探している方も、どうぞご相談ください。
※掲載内容は個人が特定されないよう一部表現を調整しています。
クライアント
女性 30代 会社員
来院
2020年 4月
症状
強い生理痛と冷え・肩こりを伴う30代女性が、約7ヶ月で妊娠されたケース
※掲載内容は個人が特定されないよう一部表現を調整しています。
※鍼灸施術の効果には個人差があります。
来院前のお悩み
妊娠を希望していましたが、3年以上結果が出ず来院されました。
病院での不妊治療や検査はまだ受けておらず、鍼灸による体質改善を希望されていました。
主なお悩みは以下の通りです。
・冷え症
・慢性的な肩こり
・腰痛
・生理前に強くなる下腹部・腰の生理痛
生理周期は30日と比較的安定していましたが、生理痛は毎回強く、日常生活にも支障が出る状態でした。
基礎体温は大きな乱れはなく、比較的規則的でした。
当院での見立て
妊活において、生理の状態は血流や身体の巡りを知る大切な目安になります。
この方の場合、生理周期は整っているものの生理痛が強く、骨盤内や下半身の血流が滞りやすい状態と考えました。
また、長時間のパソコン作業により、
・上半身に血が集まりやすい
・下半身は冷えやすい
という状態がみられました。
東洋医学ではこれを「上実下虚(じょうじつかきょ)」と呼びます。
上半身に熱や緊張がこもり、下半身は冷えて力が入りにくくなる状態です。
この状態が続くと、肩こり・のぼせ・冷え・生理痛などが起こりやすくなります。
そのため当院では、
上半身と下半身の血流バランスを整えること
を施術の大きな方針としました。
施術と経過
施術内容
・背中、腰の筋膜リリース
・首、肩、腰を中心とした鍼灸施術
・ソフトな骨盤調整
・仰向けでの腹部、下肢への鍼灸施術
まずうつ伏せで背中や腰の緊張を緩め、その後、首・肩・腰への鍼灸を行いました。
骨盤の調整を行った後、仰向けでお腹や脚への施術を追加しました。
通院ペース
2週に1回のペースで通院していただきました。
経過
・通院を重ねるごとに、生理痛が以前より軽減
・肩こりやのぼせが起こりにくくなる
・身体全体の冷えが和らいできた
・初回施術から約7ヶ月後に妊娠反応が出ました
まとめ
この症例からわかること
肩こり、眼精疲労、腰痛、冷えなど、身体は日常生活の中で想像以上に多くのストレスを受けています。
ひとつひとつの不調を丁寧に整えていくことで、身体全体の循環や働きは確実に変わっていきます。
不妊で悩んでいると、
「どこが悪いのか」「何が足りないのか」
と考え込んでしまいがちですが、
大切なのは身体全体の流れをスムーズに整えることです。
当院では、妊活を特別なものとして構えるのではなく、
日常の不調を整えながら、妊娠しやすい身体づくりを進めることを大切にしています。
クライアント
女性 30歳 主婦・パート
来院
2021年 7月
症状
①腰痛
②生理痛(生理中の下腹部の痛み)
③不妊
4年前に結婚。3年間妊娠しないため、1年前より産婦人科に通院しタイミング指導を受けるが結果がでないため来院。病院での検査は異常なし。ヒューナーテストは受けていない。ホルモン数値はE₂とP₄が若干低め。薬は処方されていない。
脈では腎が弱い。お腹は下腹部(関元)の冷え。
既往歴(これまでにかかった病気):虫垂炎
施術と経過
初回では骨盤矯正を行い身体の緊張を取った後、腎を補うツボを中心に鍼灸施術。
下半身の血流や水分の流れがしっかりと行われるよう腎を補う治療を継続し、下腹部の力を取り戻していく。
2週に1回のペースで来院していくうち、腰痛の変化と身体が軽くなったという自覚が出てきた。その後も鍼灸を継続し、初診から約5か月で妊娠。その後もつわりの軽減のために鍼灸を継続した。
生活指導
運動不足が見られたので自宅でもできる効率的な運動を指導。運動不足がよくないのは基礎代謝が下がるため。基礎代謝は卵子の分割速度に影響する。年齢とともに下がる基礎代謝を維持することは、健康のためにも必要な努力だとおもう。
※施術の効果には個人差があります
まとめ
鍼灸をすることで身体が軽くなったりぐっすり眠れるようになることは多い。小さな変化のようでも睡眠の質が上がることはホルモンバランスの面でもとても大きな変化となる。
鍼灸で自然妊娠する例は多い。鍼灸で妊娠というより、鍼灸により身体が本来持っている機能を取り戻すことが鍼灸の役割なのだとおもう。
クライアント
女性 36歳 主婦
来院
2021年 2月
症状
①腱鞘炎 ②腰痛
初回時は腱鞘炎が悪化したために来院。腱鞘炎が良くなると同時に、不妊の相談を打ち明けてくれた。
3年前から妊娠に向けた生活を心がけたがしなかった。婦人科などへの通院はないため、検査所見なし。基礎体温・生理周期ともに気になる点なし。
腰痛は少しあるがそれ程ひどくはない。足の冷えもさほど自覚がない。腹診により左下腹部の硬さに着目し、その硬さを取るよう施術を進めていった
既往歴(これまでにかかった病気):なし
施術と経過
腰では「腎兪」に強い反応がある。
その他「命門」などへの刺鍼。置鍼中には「サンビーマー」を積極的に取り入れた。
吸玉、骨盤矯正などを交互に取り入れながら週1回のペースで施術。6月に妊娠の報告を頂いた。
※施術の効果には個人差があります
まとめ
この方の場合は「自然に妊娠しなかったらステップアップはしない」という強い意志をもっていた。
それでも一度は専門クリニックでの検査を受けようと話をしているうちに妊娠できた。
鍼灸での体質改善はやはり3か月が目安だとおもう。とくに異常やお悩みの症状がなくても3か月鍼灸を続けていくと、何か身体に変化が出てくる。
「スポーツで固まった筋肉のままでは良い結果が出ないように、内臓機能も血流が悪ければ本来の機能が出し切れない」
患者さんにはそのように説明している。
クライアント
女性 30歳 看護師
来院
2021年 9月
症状
数年間妊娠しないため半年ほど前から不妊専門クリニックへ通院しタイミング指導を受ける。もともと低体温で冷えが妊娠を妨げると知り当院を受診。
PCOC(多のう胞性卵巣症候群)。FSHが高い。低体温。便秘。
低体温、冷え症で下腹部、足がとても冷たかった。看護師というお仕事柄、腰の疲れストレスを自覚していた。
既往歴(これまでにかかった病気):特になし
施術と経過
冷えのツボである腰の「腎兪」、お腹の「関元」、足の「血海」などのツボにより、下腹部の血流量を増やすよう施術を進める。右骨盤の上方への変位がとても強く、右下腹部に硬結(筋膜の硬さ)があった。
施術を重ねるごとに冷えの自覚がなくなっていった。3か月ほど通院され妊娠に至る。
生活指導
ストレスもあるせいか過食気味だったため指導した。施術により身体が軽くなったり楽になると食生活も整いやすくなるし便通もよくなる。
※施術の効果には個人差があります
まとめ
妊娠させる「魔法のツボ」はない。血流がよくなる、眠りが深くなる、消化機能が高まる、自律神経が安定するなどの変化をさせて身体を整えていく。
それを継続して体質を変化させる。でもわずかな変化が身体を変える。「魔法」どころか「地味」なものかもしれません。
クライアント
女性 34歳 主婦
来院
2022年 5月
症状
二人目のお子様を希望するも3年間授からず。
さらに1年前より産婦人科でタイミング指導を受けるが結果が出ないため当院を受診。
既往歴(これまでにかかった病気)
肩こり、眼精疲労、末端冷え症(とくに足)
施術と経過
病院では「黄体機能不全」との診断。基礎体温表では高温期が不安定な場合が多い。
足や骨盤の冷えがかなり強いのと出産を経験している人特有の骨盤の動きの悪さがあったため、骨盤矯正も併用した。仕事などによるストレス性の胃の不調があるため、胃腸に対する鍼灸治療も行いながら2週間に1度のペースで通院してもらった。
とくに使用したツボはお臍横の「水分」、下にある「関元」、足にある「三陰交」。ちなみに「三陰交」は足首内側にあるツボで、このツボの温度は子宮の温度とも云われるツボ。
4回目の来院時には強かった足の冷えに改善がみられた。その時期から病院でも卵胞の育ちが良くなってると言われる。
7回目の来院から数日後、陽性反応が出たと電話を頂いた。
生活指導
パートではデスクワークにより股関節がとても固かったため、股関節のストレッチを指導。その他「三陰交」などへの自宅灸も指導した。
※施術の効果には個人差があります
まとめ
出産や育児というのは生命力の土台である「腎気」を一時的の落とすもの。本来時間をかけて回復していくものだが、様々な理由で回復しない場合は「二人目不妊」となりやすい。
「二人目不妊」は落ちてしまった下腹部のエネルギー、血流を鍼灸により高めるようにすることで、他の不妊のご相談に比べ格段に早く妊娠に結びつくことが多い。
クライアント
37歳 女性 パート
来院
2022年5月
症状
1年半前に結婚、5ヶ月前より不妊治療(タイミング指導)を開始した。半年経っても妊娠に至らないため、人工授精へのステップアップを踏まえてさらに身体作りを考え来院。
腹診では右脇下に抵抗があり、圧すると強い痛みを訴える。東洋医学ではこのような場所を「冷え」と捉え、治療や経過の大きな指標となる。
既往歴(これまでにかかった病気):肺がん
クライアント
骨盤の調整も含めて、お腹(とくに右脇下)の硬さを確認しながら施術のツボを選ぶ。
肺の手術痕の影響で上腹部の血流や筋肉の状態を悪くしていることは十分考えられる。結果的に下腹部への血流を滞らせやすくなる。
背中の筋膜が過緊張しているため、反応のあるツボに対して鍼治療を、骨盤部のツボへは台座灸を行なった。これは上に停滞している熱を引き下げるためにも有効である。
週1回のペースで施術を続け、5回目の術後からお腹の変化が大きくみられた。
鍼灸を始めて3ヶ月後に人工授精を行い、妊娠に至った。
(鍼灸施術の効果には個人差があります)
まとめ
人工授精や体外受精で妊娠できるのは、医療機関の高度な技術と努力によるもの。
鍼灸にできることは、身体を少しでも冷えがなく、血液循環のよい状態にしていくこと。
そして妊娠後に起こりやすい体調不良を、最小限に抑えられるための体調管理。それと同時に、身体の疲れやストレスをなくしていけるように、リラックスしてもらえる施術をすること。
クライアント
女性 40歳 パート
来院
2023年 7月
症状
4年前自然妊娠するも流産された。
その後不妊専門クリニックにて体外受精へ進んだ。5回行うも妊娠しなかったため、体質改善を考え鍼灸を選択してくれた。
既往歴(これまでにかかった病気):子宮頸がん 膀胱炎
施術と経過
腹診では、お腹の硬さはそれほどなかったが、足首のツボ「三陰交」の圧痛が強く、足首まわりがとても冷たかった。
「三陰交」への鍼と灸と背部の「腎兪」「膏肓」。腹部の「関元」などのツボへの刺鍼を毎回の施術で行う。
(足首の「三陰交」というツボは逆子の時も使用するツボ。その際「三陰交」へお灸をしていると「赤ちゃんが動き始めました!」とよく言われる。それだけ子宮と関係が深いツボと言える)
約1か月後に採卵を予定していたため、週1回から2回のペースで通院。
その後、採卵は予定通りでき「グレードがとても良かった」との報告。
さらに、2か月後に予定している移植に向けて1~2週間に1回ペースで吸角と骨盤調整も取り入れ施術継続した。
移植後、彼女得意の「フライング」により「先生やっぱり今回も駄目でした」と報告。その2日後クリニックで妊娠とわかり、メールで報告を頂く。
現在(H28年3月)当院への通院はしていないが出産に向けて身体は順調とのメールを頂いている。
(鍼灸施術の効果には個人差があります)
患者
女性 41歳 会社員
来院
2016年 2月
症状
不妊専門クリニックに2年ほど通院し、体外受精まで行うが流産してしまう。
体質を変える方法を考え鍼灸にたどり着いた。
肩こり、頭痛、便秘と下痢を繰り返しやすい。
冷え性は強くおしりと下肢に自覚症状がある。
ホルモン検査ではFSHが毎回2ケタ(20前後)になる。
既往歴:子宮筋腫
施術と経過
会社員として忙しく働きながら病院への通院などにより、体はとても疲れている。
肩こり、頭痛、冷え性をまずは取っていき、胃腸を整える鍼灸施術を継続した。
2週間に1回のペースで、吸角療法や骨盤矯正も定期的に施術した。
6ヶ月後には胃腸の調子も良くなり冷えもほとんど自覚症状がなくなったが、体外受精の結果にはすぐに結びつかなかった。
翌年2017年の3月、2ケタだったFSHは1ケタとなり、内膜も14ミリと今までにない数値となり移植へ。そのまま妊娠に至った。そして同年11月に元気な男の子を出産された。
まとめ
仕事や病院などで疲れ果て、体調の悪いままでは本来の体の機能は低下してしまう。
鍼灸にできることは体を、そして内臓機能を整えて体内に蓄積している色々なストレスを一つ一つ取っていくこと。薬に反応しやすい体にし、妊娠後も体調の良い体を作ること。